03.11
2019
水道水の話2
前回は、日本の水道水の衛生面のお話をしました。今回は水道水のpHと電解水生成装置の関連についてお話したいと思います。
■おいしい水の基準って?
前回のコラムでは、水道水の水質基準の項目は51項目で、ミネラルウォーターの安全基準は殺菌・除菌工程「あり」の場合は39項目、「なし」の場合は14項目となっており、水道水の方が水質基準の項目数が多いことをお話ししました。
私たちの周りには非常にたくさんのミネラルウォーターが販売されています。ちなみに、私もスーパーやコンビニなどでミネラルウォーターを買って飲んでいますが、なぜ飲むの?と聞かれると、「なんとなくおいしく感じるから」と応えるでしょうか。
では、「おいしい水の基準って何でしょうか?」、実は、昭和60年に厚生省(今の厚生労働省)が「おいしい水研究会」を設立し、おいしい水の要件をまとめています。
これを見ると適度なミネラル分を含み、臭みのない冷たい水がおいしいと感じるようです。しかし、電解水生成装置にとっては、水道のミネラル分は最終的に電解性能を低下させる要因にもなるため歓迎できるものではありません(以前のコラム参照)。
■水道水と電解次亜水のpHについて
水道水中の硬度(ミネラル分)は電解性能に影響を与える要因になりますが、水道水のpHは電解次亜水の殺菌力に影響を与える要因になります。水道水のpHは硬度と同様、全国各地で違ってきます。 弊社の電解次亜水生成装置「ビーコロン」は、隔膜のない電解槽内で塩水を電気分解して生成しますが、生成した高濃度の電解次亜水は実際に使用する濃度(50~200ppm)に水道水で希釈して吐出します。 そのため、水道水(原水)のpHによって、吐出する電解次亜水のpHも左右されるのです。ちなみに、弊社の水道水のpHは6.7程度です(水道水のpHは5.8~8.6と規定されています。pH7が中性です。)。 従って、弊社の水道水のpHは多少酸性側に傾いていることが分かります。この水道水を使って弊社の主力機「ビーコロンCL-S60」で50ppmの電解次亜水を生成すると電解次亜水のpHは7.7程度になります。
このように、電解次亜水の場合は、水道水のpHよりもアルカリ度が高くなっていきます。塩素はアルカリ性が高くなればなるほど殺菌反応速度は遅くなっていきますので、電解次亜水生成装置に使う水道水のpHは酸性~中性であることが理想で、 あまりアルカリ性が高いと殺菌力が弱くなってしまいます。普段、何気なく使っている水道水ですが、地域によって、硬度やpHが違います。お時間があったら地元の水道水の水質情報をインターネットなどで調べて見ると面白いかもしれません。