08.01
2018
二次汚染対策 ~二次汚染に注意しましょう~
■二次汚染とは
二次汚染とは、細菌やウィルスに汚染された手やまな板、調理器具等を経由して調理中の食品に移ることをいいます。実は、食中毒の原因のかなりの割合を占めているのが、この二次汚染によるものなのです。
今回は、まな板の洗浄・殺菌を例にとり、二次汚染対策に向けた効果的な使い方についてお話をしたいと思います。
■まな板の衛生管理について
まな板は、特に二次汚染を起こしやすい調理器具なので、取り扱いには細心の注意が必要です。
(1)衛生管理の観点から見ると、まな板はプラスチック製(樹脂)がお奨めです。
①木製のまな板は適度な柔らかさがあり、どの素材の包丁とも相性がよく、食材が滑りにくいという特徴があります。しかし、細くて深い包丁傷ができやすく、そこから細菌が入り二次汚染の原因となるため、徹底的な洗浄と殺菌を行い、時々表面を削らなくてはなりません。
これに対し、プラスチックやゴム製のまな板は食材が滑りやすいというデメリットはありますが、比較的包丁傷が浅く、カビも生えにくいのでお手入れが簡単です。
②加熱済み食品用と未加熱食材の下ごしらえ用のまな板は別のものを使います。
③保管庫等でまな板を保管していない場合は、作業開始の時にも一度洗浄・殺菌してから使い始めると良いでしょう。また、木製のまな板を使う時には、初めに水で濡らしてから使うと水の膜で食材などの臭いが移りにくくなります。
(2)使用の都度、洗剤などで洗いましょう。
食材を切ると、汁や臭い、もちろん細菌等もまな板に付着します。
例えば、肉や魚等を切ってから他の食材(野菜等)を同じまな板で切る場合には、洗剤でまな板をきれいに洗い、汚れを落とすことが重要です。水だけでは汚れや細菌を一定レベルまでしか落とすことができませんし、油等は落ち難いのが現状です。前述したまな板の傷もブラシなどで傷の目に沿って、洗剤できれいに洗うようにしましょう。また、使用した洗剤は水やぬるま湯等で 十分にすすいで洗い流しましょう。
(3)熱湯、次亜塩素酸ナトリウム、アルコール等で殺菌しましょう。
① 熱湯を使った殺菌方法は?
熱湯をかけることは非常に有効な殺菌方法ですが、注意しなければいけないことがあります。洗浄が不十分で、まな板にタンパク質が残った状態で熱湯をかけると、熱湯でたんぱく質が固まってしまい、逆に汚れが落ちにくくなってしまいます。また、熱湯の温度管理をしっかりと行い、十分な量をかける必要があります。
②次亜塩素酸ナトリウム(塩素系薬剤)での殺菌方法は?
市販の次亜塩素酸ナトリウムで殺菌を行う場合、通常、薬剤原液を希釈して適切な濃度に調整した溶液にまな板を漬け込みます。希釈作業には時間がかかり、調理の合間に行うことは中々できないのが現状です。また、人為的な希釈ミスにも注意が必要です。
③アルコールを使った殺菌方法は?
アルコールを使ったスプレー殺菌は、比較的簡単に行うことができます。しかし、アルコールは水分が残っていると効果が薄れますので、洗浄後はしっかりと水分を拭き取り、乾燥させてからアルコールをスプレーすることが重要です。
■二次汚染対策には小まめな殺菌が必要不可欠です。
二次汚染を防止するためには、手洗いやまな板、調理器具等の洗浄・殺菌は極めて重要です。特に殺菌においては、如何に手間を少なくして小まめに殺菌できるかが、食の現場では大変重要なポイントになってきます。
この観点から見ると塩素系薬剤を使った従来方法(漬け込み殺菌)には限界があります。つまり、塩素系薬剤は、殺菌の都度、希釈作業や漬け込みに時間がかかるため、忙しい調理の合間には実践し難いからです。
「もっとこまめに殺菌したいけど、手間がかかって、思うように行えない。」などという声をよく耳にします。このような問題を解決し、調理しながら小まめに殺菌してもらうためには、人為的な希釈作業を極力なくし、水道水のように誰でも簡単に流水使用できるようにすることが必要不可欠と考えています。
・・・・・ということで、まな板の殺菌に限らず、調理の合間も小まめに殺菌できる環境を作ってあげることが二次汚染対策には有効です。この点からも電解水は二次汚染対策に有効な手段の一つとなります。