05.14
2021
電解次亜水は加湿器(給水タンク)の水に使えないの?
昨年は新型コロナウィルスの感染対策を見据えてのここと思いますが、空間噴霧に関する問い合わせが急増しました。結論から申し上げると「電解次亜水を空間に噴霧しないでください」ということです。
これは除菌効果の有無だけでなく、噴霧による弊害(人体への安全性や周辺機器等への影響)が危惧されるためです。
一方、使用する濃度によっては加湿器の水を衛生的に保持できるという利点もありますので、水道水のお話と合わせ簡単に説明したいと思います。
■加湿器に入れる電解次亜水の濃度の目安は?
電解次亜水を概ね2~5㎎/ℓ(※mg/ℓ=ppm)程度に薄めて加湿器(給水タンク)に入れると水道水に比べ、水の衛生状態を長く保つことができます。(塩素が入っていると雑菌の繁殖を抑えることができます。)
■水道水にはなぜ塩素が含まれているの?
日本では水道水に塩素が使われていますが、これは病原菌等を消毒し、安全な水を提供するためのもので、蛇口から出てくる水道水は0.1㎎/ℓ以上の塩素が入っていることと規定されています。一般的には1㎎/ℓを下回る 目標値を独自に定め残留塩素濃度を管理しているようですが、WHO(世界保健機関)の飲料水ガイドラインでは上限値は5㎎/ℓとされていますので、日本の目標値はかなり厳しいと言わざるを得ません。この上限値5㎎/ℓとは、 体重60㎏の人が1日に2ℓを生涯に渡って毎日飲み続けても健康に影響が生じない濃度のようです。
反面、残留塩素濃度が概ね1㎎/ℓ以下と低いので、例えば加湿器(給水タンク)に溜め置くと、設置環境にもよりますが1~3日程度で塩素がなくなり、雑菌が繁殖することにもつながります。そのため加湿器の取扱説明書には、 「水は毎日取り換えましょう。」、「給水タンクの中に水が残っている場合でも、残った水はすべて捨てて新しい水に入れ替えてください」などと書かれているのです。
特に超音波などの噴霧式や加熱しない気化式などの加湿器は水の衛生管理を徹底したいものです。
■電解次亜水について
塩水を電気分解して生成される電解次亜水(概ね50㎎/ℓ~200㎎/ℓの塩素濃度)は食材の殺菌や調理器具の除菌等に使用されていますが、食品衛生法上は水道水の消毒にも使われている次亜塩素酸ナトリウムの希釈液と同等のです。 また、電解次亜水は次亜塩素酸ナトリウム原液(4~12%。6%=60,000㎎/ℓが主流)の1,200倍~300倍と低濃度で生成されるので、取扱上の安全性が高く、さらなる低濃度への希釈も極めて簡単にできますよ。