開発者コラム

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06.30

2020

「次亜塩素酸水」が新型コロナウィルスに有効

編集者:オキシライザー商品部

 新型コロナウィルスに有効なアルコール製剤の入手が困難であったことから、経済産業省がNITE(一般行政法人 製品評価基盤機構)を通じ、一般家庭でも入手可能な洗剤等代替物資(次亜塩素酸水を含む)の評価を実施していましたが、 その最終結果が先週末(6月26日)に公表されました。
  結果として、有効塩素濃度35ppm以上の「次亜塩素酸水」(流水でかけ流す場合は35ppm以上、拭き掃除に使用する場合は80ppm以上)は新型コロナウィルスに対して有効であると判断されました(一件落着で、ほっとしています)。 なお、次亜塩素酸の特性を考慮し、汚れ(有機物:手垢、油脂等)を予め除去し、対象物に対して十分な量を使用することが示されましたが、この内容は電解水メーカーとしても十分に納得のいく注意事項であると考えています。
 また、これまで「次亜塩素酸水」、「次亜塩素酸ナトリウム」、「電解次亜水」等について多くの問い合わせをいただきましたが、未だに、これらの殺菌剤が何かを理解している人は極めて少ないのではないかと思われるため、今一度、簡単に説明したいと思います。

  

■「次亜塩素酸水」とは

 本来、「次亜塩素酸水」とは食品添加物(殺菌料)に指定されたpH6.5以下の酸性の電解水のことです。「次亜塩素酸水」は塩水または塩酸水を電解して生成します。強力な殺菌力を持つ次亜塩素酸が主成分なので低濃度(10~80ppm) ・短時間で殺菌することができます。
 「次亜塩素酸水」は生成装置が使用濃度に自動生成してくれるので、市販の塩素系殺菌剤のように高濃度で流通し、使用の都度、希釈して使用するという面倒な作業はありませんが、有機物や紫外線などで濃度低下が著しいので使い方には注意が必要です。
 一方、次亜塩素酸ナトリウムに希塩酸等の酸性物質を混合希釈してpHを概ね5~6.5程度の酸性に調整した水溶液も「次亜塩素酸水」として販売しているケースが見受けられますが、これらは食品衛生法で定められている「次亜塩素酸水」ではありません。 但し、次亜塩素酸を主成分とした酸性の水溶液(100~300ppmと高濃度で販売されているケースが多いようです。)なので強い殺菌力を有しています。反面、容器に充填されて流通しているので、使用期限や保存方法に十分注意し、早めに使用することが重要です。 本来であれば電解生成が前提の「次亜塩素酸水」と区別し、「次亜塩素酸水溶液」とも呼ぶべきものでしょうか。
 ちなみに、「強酸性次亜塩素酸水(次亜塩素酸水)」は弊社製品「オキシライザー」から生成できます。

■「次亜塩素酸ナトリウム」とは

  次亜塩素酸ソーダとも呼ばれるもので、酸化作用、漂白作用、殺菌作用があり、上水道やプールの殺菌に使用されている強アルカリ性の溶液(原液)です。また、家庭用に販売されている液体の塩素系漂白剤や殺菌剤(浴槽用、キッチン用、哺乳瓶の殺菌用等。 商品名としてはハイター、ピューラックス、ブリーチ、ミルトン等)などにも使用されており、製品によっては少量の界面活性剤やアルカリ剤が加えられているものや、食品添加物(殺菌料)に認められている製品もあり、最もポピュラーな塩素系殺菌剤・漂白剤です。
 なお、「次亜塩素酸ナトリウム」は概ね4~12%の次亜塩素酸イオンを主成分とする強アルカリ性の液体ですが、食材殺菌や調理器具の除菌、ノロウィルス等感染症対策には、概ね50~200ppm程度に希釈して使用します。
 ちなみに、新型コロナウィルスの消毒には「次亜塩素酸ナトリウム」が有効であることが広く周知されています。推奨濃度は0.05%(500ppm)~0.1%(1,000ppm)となっていますが、今回のNITEでの試験結果(国立感染症研究所での検証試験結果)において、 陽性対照物質として試験した次亜塩素酸ナトリウムは20秒以上の反応により200ppm以上で99.999%以上の感染化低下を示したデータを公表しております。

■「電解次亜水」とは

 pH7.5以上の弱アルカリ性の電解水です。塩水を電解して生成します。次亜塩素酸水に比べ殺菌活性は低くなりますが、次亜塩素酸水より高い有効塩素濃度(30~200ppm)で使用するため強い殺菌力を示します。電解次亜水は食品添加物(殺菌料)に指定されている 次亜塩素酸ナトリウムの希釈液と同等と見なして使用することができます。つまり、電解次亜水=次亜塩素酸ナトリウムということになりますので、「電解次亜水」は次亜塩素酸ナトリウムの使用基準に準じた使い方ができます。電解次亜水の主成分は次亜塩素酸イオンと次亜塩素酸です。
 なお、電解次亜水も「次亜塩素酸水」と同様、生成装置が使用濃度に自動生成してくれるので、市販の塩素系殺菌剤のように高濃度で流通し、使用の都度、希釈調整するという面倒な作業はありません。
 ちなみに、「電解次亜水」は弊社製品「ビーコロン」から生成できます。