開発者コラム

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11.19

2015

殺菌性電解水を使う上でのシンクの選定

編集者:オキシライザー商品部

業務用シンクの材質について

一般的に業務用シンクにはステンレス鋼材が使われています。ステンレスの主成分は鉄ですが、これにクロムやニッケルなどの物質を添加して錆びにくくした特殊鋼の一つです。
クロムを加えると錆にくくなり、ニッケルを加えることで耐食性が向上します。
ちなみに、JIS規格では、ステンレス鋼材の材料記号を「SUS」と表記します。
また、業務用シンクは大きく分けて汎用グレードであるSUS430のシンクと耐食性に優れたSUS304のシンクがあります。
SUS304のシンクが錆びにくく、殺菌性電解水には好都合なのですが、価格はSUS430の概ね2培になります。
なお、既存シンクのグレードがSUS430なのかSUS304なのかを見分ける方法として磁石が付くか否かで判断することができます。

SUS430

18クロムステンレスとも呼ばれ、主に家電部品やシンクなどの厨房機器に使われています。耐食性に優れた汎用のステンレス鋼材ですが、他の鋼種に比べるとやや耐食性に劣る部分があります。なお、この鋼材は磁性があり、磁石がくっ付きます。

SUS304

クロムとニッケルの含有量が多いことから、耐食性、耐熱性に優れています。この鋼材は一般的に磁性がありません。従って、磁石はくっ付きません。

殺菌性電解水(強酸性電解水と電解次亜水)の腐食性

金属の種類にもよりますが、鉄やステンレスに対する殺菌性電解水の腐食性は概ね以下の通りです。微酸性電解水が最も錆びにくく、強酸性電解水が最も錆びやすいということです。

強酸性電解水

強酸性電解水の酸化力は極めて強力で、微量の塩分も含んでいるので、そのままにしておくと錆びが発生します。また、塩素ガスが発生しますので近くにある金属も錆びやすくなります。(但し、三室型電解槽で生成した強酸性電解水は塩分は殆ど含まれていません。)
1日の作業終了後にスポンジ等でシンクをしっかりと水洗いすれば錆の発生を抑制することができますが、それらの作業を怠ると比較的早い時期に錆が発生します。
こうした強酸性電解水の特性を考慮すると、できるだけ錆にくい材質(SUS304)のシンクを選定されることをお奨めします。


  • 強酸性電解水を使ったSUS430シンクの状態(例)

  • SUS430シンクには磁石(マグネット)がくっ付きます。

  • 強酸性電解水や電解次亜水を使ったSUS304シンクの状態(例)

ビーコロン水(電解次亜水)

ビーコロン水は弱アルカリ性ですが、塩素と微量の塩分を含んでいるので、シンクや金属製の調理器具等に使用した後は、水で洗い流す必要があります。
但し、腐食性は比較的弱いので、シンクは1日の作業終了後にスポンジ等でしっかりと水洗いすれば錆の発生を抑えることができます。
錆にくいということではSUS304のシンクがベターですが、作業終了後のお手入れがしっかりできればSUS430のシンクでも十分対応できます。
ちなみに、装置を導入いただいているお客様の殆どがSUS430のシンクをお使いになっています。